税務署での申告、ちょっと怖い話

中沢源雄(スワサブロー)@商工会議所スタッフ

2019年03月09日 18:34

税務署の申告って以外に「安心できない!」と思っています。



というのも、数年前決算書や申告書を税務署で作成している方からお聞きした話。
その方は個人事業の代表(社長)で、
当時売上帳や経費帳等々の「帳簿類」がまったくなく
確定申告の時期になると通帳や領収書等々その時にできる限り用意できる物を持参して
税務署の作成コーナーで決算書を作成していたそう。

その時の税務署側のスタッフのやり取りがこんな感じ。
「決算書を作っていきますね」
「売上はいくらですか?」

通帳に振り込まれたり、現金でもらったりと色々、もちろんまとめていないので正しい答えは出せません。

「領収書の控えとかないんですけど…」

こんな返答に対し

「分かる範囲で結構ですよ」

売上だけではなく、各種経費についてもこんな感じでとにかく数字を入力して決算書を完成させる事を優先する支援だったそう。

そのお客さまが、なぜ税務署で申告をしていたのか?それは
何かあった時に「税務署の指導で作成しました!何を言っているんですか!」と言い訳ができる『安心感』を得たいから
だったそう。

この話を初めて聞いた時
「えっ…」ってうんとザワザワしました。

この話はこのお客さまだけではなく、その後、数名のお客さまからもお聞きしたので間違えありません。

聞くたびにザワザワしていましたが、
ついに、その安心感は「大きな勘違い」と確信する出来事が。

お客さまが不慮の事故で記帳していない1ヶ月分の領収書等々を消失してしまいました。
そんな相談をお聞きして、一緒に税務署へご相談に伺いました。

答えは…

「あくまで自主申告なので、数字は事業者がまとめてもらわなければいけません」
「昨年の実績とか、平均値とか、記憶の範囲内とかで予想してください」

そう「自主申告」なんです。

税務署はあくまでお客さまが申告してきた数字を受け取るだけ。
間違っていたって、嘘ついたって受け取るんです。

そんなコトをお伺いして、ザワザワ感が一気にハレたのと同時に、
ほんとにそれでいいの…と悲しい気持ちになりました。

申告時期になると、決算書や申告書を税務署で作る方の待ち時間は半日を超えてしまうとお聞きします。
このような状態では細やかた対応は難しいし、
そもそも「1番は申告を期限内にしてもらうこと」が共通事項だと思います。

そんな事もあって「事業所得(一般・農業)は商工会議所でもご相談できます」を発信し続けているおかげとお客さまがそのコトをご友人にご紹介してくれることもあり、少しだけ新しいお客さまがいらしてくれます。

そして、そのお客さまの多くは、日々の記帳も支援するので、きっちりとした決算書を作成できるようになった方も数多いです。

敷居は高いかもしれませんが、税務署の待ち時間に疲れたら、商工会議所・商工会にお越しになってください。

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